相続人の一人が認知症の場合

相談内容

 B男さんからお兄さんのA男さんが85歳で亡くなったとの報告を受けました。A男さんは独身で子供もいません。また、ご両親も既に他界しており、A男さんの兄弟であるB男さん、C子さん、D男さんの3人が相続人となりました。

 問題は相続人の一人であるC子さんが数年前から判断能力が無くなり、現在施設に入所していることです。唯一の財産である自宅をどのように分けたらよいのでしょうか。

 

提案・結果

 C子さんには判断能力が無いことから、家庭裁判所に成年後見人選任の申し立てをしなければなりません。この申立において注意をしなければならない点があります。

 成年後見人はC子さんの利益を守るため行動しますので、相続分である3分の1の財産を取得するために遺産分割の話し合いをすることになります。

 たとえば3人名義にして売却、売却代金を3等分する方法や誰かがこの自宅を相続し、残りの相続人が自宅を相続した相続人から代償として3分の1に相当する金銭でそれぞれ支払ってもらう方法が考えられます。

 今回のケースではB男さんがその自宅を相続し、その代償としてC子さんとD男さんにそれぞれ3分の1に相当する金銭を与えることで決着しました。

 


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