相続財産が他人名義だった

相談内容

 先日亡くなったA男さんのお父さん(B男さん)の自宅の土地の名義を調べると、近所に住むS子さんのお祖父さんの名義(M男さん)であることが判明しました。また地目が畑であることも分かりました。

 70年くらい前、A男さんのお祖父さんであるF男さんが野菜を植えるため、M男さんからその畑を譲り受けたようです。その後M男さんが35年前に亡くなり、またF男さんも30年前に亡くなって長男のB男さんがその土地を相続し、25年前にB男さんが自宅を新築し、建物の登記も完了しました。

 F男さんが耕作していた状況ははっきりしませんが、B男さんがその土地を自分の所有であると信じて自宅の敷地として利用してきた事実に間違いないようです。A男さんはこの土地の所有権を取得できるでしょうか。

 

提案・結果

 F男さんが70年くらい前にM男さんから取得した原因やその証拠があれば、それぞれの相続人による登記という手法でF男さんの名義に移転した後に、数次相続によりA男さん名義に移転することができます。

 しかし、このケースではF男さんへの移転原因や占有の有無がはっきりしないので、B男さんが自宅を建てて25年が経過したという事実から時効取得を原因としてA男さん名義にすることができます。

 その前提としてM男さんの相続登記が必要となります。そうするとM男さんの相続人全員の協力が必要となり、もし協力を得られない場合は裁判手続きを取ることになります。幸い今回のケースではM男さんの相続人全員の協力が得られ、無地にA男さん名義にすることができました。


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